食品ロス削減アドバイザー・食育インストラクターの福田かずみです。
この夏、小学校家庭科教職員の先生方を対象とした研究会で、「食品ロスと環境教育」をテーマに担当させていただくことになりました。研究会のテーマは、「SDGsと食品ロス ~食品ロスの解決方法と工夫・『すてないレシピカード』を使った授業づくり~」です。
近年、食品ロスは環境問題としてだけでなく、家庭科教育や消費者教育、ESD(持続可能な開発のための教育)と深く関わる学習内容として位置づけられています。一方で、「食品ロスの実態は学習するものの、その後どのような授業展開をすればよいか悩んでいる」という先生方の声も少なくありません。
そこで今回ご紹介するのが、「すてないレシピカード」を活用した授業づくりです。
「レシピを覚える」ではなく、「考える力」を育てる教材
一般的な調理実習では、決められたレシピ通りに作ることが多くあります。
しかし、「すてないレシピカード」は異なります。
冷蔵庫に残っている食材や、使い切りたい野菜を見ながら、
「これ、食べられる?」から始まり
「どんな料理にできるだろう?」
「調理法は?」
「主菜にしようか、副菜にしようか?」
と、自分たちで組み立てていく教材です。
家庭にある食材を無駄なく使い切るための”考える力”を育てることを目的としています。
家庭科だからこそ伝えられる食品ロス削減
食品ロスを減らす方法は、買い物や保存方法だけではありません。
家庭科には、
・献立を考える力
・調理方法を選ぶ力
・食材を使い切る工夫
など、暮らしに直結する学びがたくさんあります。
つまり、家庭科こそが食品ロス削減を実践につなげられる教科でもあります。
「知って終わり」ではなく、「今日から家庭でやってみよう」と思える授業づくりを目指しています。
創意工夫を育むレシピカード
授業時間の中では、一人ひとりが食材カードを選び、自分だけのレシピカードを完成させることを想定しています。
また、グループで話し合いながら完成させることもできます。
食品ロスになりそうな食材カードを手に取ることで、思考力をアップさせ、美味しく食べ切るための創意工夫が生まれます。
「実は、食べられるんだね。」
「こんな組み合わせはどうだろう。」
「今度、おうちで作ってみたい。」
そんな気づきが、食品ロス削減への実践になります。
芽が出たジャガイモなら、食の安全についても学ぶことができます。芽にはどんな成分があるのか。取り除くならどのくらい?皮が緑色になることもある。その理由と対策へと広げることができます。

レシピカードは、夏休みの課題としても最適です。授業で作ったレシピカードを見ながら家庭で調理をし、盛り付けの写真やイラストを添えて、カードを完成させることもできます。
暮らしにつながる学びを目指して
現在、この研究会に向けて教材や授業内容を準備しているところです。
「すてないレシピカード」は、一つの授業モデルとしてご紹介するものです。先生方には、それぞれの学校や学年の実態に合わせてアレンジしながら、ご活用いただければと思っています。
食品ロスは、環境問題を自分ごととして捉え、家庭科を通して日々の暮らしの中で実践につなげられる題材です。
子どもたちが「もったいない」という気持ちだけでなく、「どうすれば最後までおいしく食べ切れるだろう」と考えられる力を育てることが大切だと感じています。
今回の研究会が、家庭科の授業づくりの新しいヒントとなり、子どもたち一人ひとりの暮らしにつながる学びへと広がっていくことを願っています。





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