「要冷蔵は10℃以下」ってどういうこと? 冷蔵庫の適正温度と棚ごとの温度差のおはなし

食品ロス削減アドバイザー・冷蔵庫収納研究家の福田かずみです。

家庭の冷蔵室は、「10℃以下で保つこと」 が基本とされています。

これは、食品に表示されている「要冷蔵」の温度管理の基準に基づいており、食品の品質を維持し、食中毒を防ぐための大切なルールです。


1.「10℃以下」が基本の理由 — “要冷蔵”の基準

スーパーや食品メーカーが商品に「要冷蔵」と表示するとき、

その温度帯の基準となるのが 10℃以下 です。

この考え方は、食品衛生法に基づき導入されている

HACCP※1(ハサップ:危害要因分析・重要管理点=食品を安全に守るための国際的な衛生管理基準の仕組み) に由来しています。

HACCPでは、食品に有害な微生物(細菌)が増えにくい温度帯を保つことが

食品安全の重要な管理点のひとつとされています。

■ 10℃を境に“細菌が増えやすくなる”

多くの細菌は、

・5〜10℃:ゆっくり増える

・10℃以上:急激に増えやすい

という特徴があります。

そのため、「要冷蔵=10℃以下」は、

“絶対に超えてはいけないライン” として設定されています。


2.実際の冷蔵庫はもっと低めが理想(2〜5℃)

「10℃以下」はあくまで“上限”であり、最低限のルール。

家庭用冷蔵庫で食品の鮮度を保つためには、より低い温度が必要です。

各メーカーや取扱説明書では、

冷蔵室の適正温度を 2〜5℃ 程度と案内している場合が多くあります。

これは、

● 食品の品質劣化を抑える

● 微生物の増殖をより強く抑える

● 作り置きや生鮮食品を安全に保つ

ために最も適した温度帯だからです。

そのため、

冷蔵庫は“10℃以下にする”のではなく、

“なるべく2〜5℃で安定させる” ことが実用的には大切です。


3.実際の冷蔵庫はどうなっている?

私が計測してみた「棚ごとの温度差」

「冷蔵庫は中が同じ温度で冷えている」と思っていませんか?

実は、家庭用冷蔵庫には 棚ごとの温度差 がはっきりあります。

こちらが、わたしが実際に庫内の温度を計測した結果になります。


● 上段……約8℃

● 2段目……約7℃

● 中段……約6℃

● 下段……約5℃

● チルド室……約0〜3℃


棚の位置により温度差はありますが、平均してこのような温度帯であること。同じ冷蔵室の中でも

上段とチルド室では 5〜8℃ほどの差 があることがわかりました。



4.なぜ温度差が生まれるの?

温度差の理由は、冷蔵庫の構造と冷気の性質によるものです。

● 冷気は重く、下にたまりやすい

そのため上段は温度が高く、下段は低くなります。

● 冷気の吹き出し口は冷えやすい

吹き出し口付近の温度がもっとも低くなる。

● ドアの開閉により上段が冷えにくい

特に冷気の吹き出し口から遠い箇所は温度が下がりにくい。


5.温度差を知れば、食品ロスを減らせる

棚の温度が違うということは、

食材ごとに“最適な位置”があるということ。

● 上段(7〜8℃)

 → 調味料、飲み物、加工食品、傷みにくいもの

● 中段(5〜6℃)

 → 作り置き、豆腐、ヨーグルト、毎日使うもの

● 下段(4〜5℃)

 → 生肉、生魚、乳製品など、鮮度が大切な食材

● チルド室(0〜3℃)

 → ひき肉、刺身など、さらに低温が必要な食材 (期限が近づいたお惣菜など)
         空きがあれば、生肉・生魚を優先して保存しましょう。

温度差を理解して収納することで、

食品が長持ちし、結果として 食品ロス削減 に大きくつながります。


まとめ

・「冷蔵庫は10℃以下」は、“要冷蔵”の基準

・根拠は、食品衛生法に基づく HACCP の考え方

・実際は 2〜5℃ に保つと鮮度がぐんと良くなる

・冷蔵室の中は棚ごとに温度差がある

・食材に“最適な場所”を選ぶことで食品ロスが防げる

 

以上、冷蔵庫の温度と食品の安全な保存法を、 特に棚ごとの温度帯についてお伝えしました。

今日からぜひ「冷蔵庫の温度」も気にかけてみてくださいね。

※1  HACCPとは、厚生労働省公式ページ:『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html?utm_source=chatgpt.com

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA