食品ロスにしない毎日の調理〜筍をいただいて

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食品ロス削減アドバイザー、冷蔵庫収納家の福田かずみです。

桜の花が散ると、スーパーには筍が並び始めます。

私の住む地域には竹藪があります。その山道を散歩すると、道の真ん中に筍が顔を出していました。人通りの少ない道なので、元気ににょきにょきと成長しているかな?次回通る時が楽しみ?いえ、通行止めになっているかもしれませんね。
そんな筍ですが、今年もご近所さんから沢山いただきました。筍をもらうと困ってしまう方もいると思います。皮を剥いたり、下茹でしたりと手間が掛かりますから。でも、地域で採れたての食材をいただけることは、何よりの幸せを感じます。旬の筍は、今しか味わうことができませんし。

何より、せっかく我が家にやってきてくれたのですから、最優先に取り掛かります。まずは、せっせと皮剥きから。「さっき掘ってきたばかりだから」とのこと。採れたてはエグみも少ないということで、米糠は使わず米の研ぎ汁で茹でることにしました。

お米を研ぐとき、一回目が一番濃度の濃い研ぎ汁になります。
今回は、採れたての筍でしたので、できるだけ本来の風味を味わいたく3回目の研ぎ汁から使いました。

こちらが茹で上がった筍です。煮汁も白濁していません。量が多かったので、2回に分けて茹でました。圧力鍋を使い、加熱時間は、加圧後弱火で10分ほど。煮汁に浸けたまま冷ますのですが、ここでお汁の味見をしてみました。すると、風味豊かな筍の香りがふわっと、甘味さえ感じて思わず「おいしい〜!」と声に出してしまいました。この煮汁でスープを作ったら、おいしいだろうなぁ・・と。食材を最後まで大切に調理できると嬉しくて・・。筍たちに幸せな時間をいただきました。

・・時々思い出すことがあります。今から5年ほど前のこと。国連食糧農業機関(FAO)のチャールズ・ボリコ(当時FAO駐日事務所所長)氏からいただいたコメントがあります。横浜市資源循環局が主催した食品ロスイベントに出席した際に、談笑した時のこと

私     「生姜は水に浸けて保存すると長持ちしますね」
ボリコさん 「その水はどうしていますか?」

私は、ハッとさせられました。確かに、浸けていた水には生姜の風味がでていますし、栄養の点で言えば、水溶性のビタミンは流出しています・・。それから、私の食品ロスに関する感度がさらに増していきました。

以降、なんでも捨てる前に、考えるようになりました。これ、まだ活用できないかな?本当は美味しいかも。なんて。

筍の煮汁を飲んでみた時、食べものを大切にするボリコさんからの言葉を思い出したのでした。

2017年10月国連食糧農業機関(FAO)のチャールズ・ボリコ氏と

話しを戻しますね。せっせと茹でた筍、一部はご近所さんにお裾分けをしました。この「お裾分け」については、色々と思うことがありますが、私が考える「食品ロスを減らす10か条」にも綴っています。こちらもまた別の機会に紹介させていただきます。

茹であがった筍。一部は天日に干すことにしました。薄切りにした筍を梅干し用のザルに広げ半日ほど干しました。(実際には、ネットを被せて) 薄く小さくなった干し筍を一枚パクっと食べてみると・・旨味がぎゅっと詰まっていてこれまた茹で筍とは別の味わいがありました。まだ太陽の温もりを感じられるような、出来立てが美味しいと感じるのはなんでなんでしょう。食材の活力を感じられる・・。ご飯もそうですね。炊き立ての美味しさって格別です。

さて、干すことで、水分量が減った食材は保存食になります。ただ、今回は水に戻して使うほどには乾燥していないので、冷凍保存にしました。ただ、水煮のまま冷凍するより美味しく保存することができます。冷凍によるダメージは食材に含まれる水分に影響します。
水は凍ることで体積が増し(膨張するので)細胞壁を壊してしまいます。
そのことで食感を悪くしてしまうのですが、食材の中にある水分をできるだけ少なくして冷凍するとそのリスクを軽減することができます。

もう一つ、長期間の冷凍も乾燥により味を損ねてしまいます。いわゆる冷凍焼けです。自家製の冷凍食品は、1ヶ月を目安に食べ切るようにします。

さぁ、残りは煮物と筍ごはんと、あ、茹でたての穂先はまずお刺身にして、わさび醤油でいただきま〜す。
今回は、旬の筍から私が調理をしながら思うあれこれを交えてお届けしました。家庭の食品ロスを減らすこと。それは食べものに愛着を持って料理をすること、感謝を込めていただくことだと思います。
毎年、採れたての筍を届けてくれるご近所さんにもありがとう。

そして、最後までお読みいただきありがとうございました。

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